Qの箱庭

ショートストーリー仕立ての毎日

わたしカメラ(「短歌の目」第3回)

こんにちは。5月ですね。

というわけで今月もいつものやります。よろしくお願いします。

 

tankanome.hateblo.jp

 

いつも引用スター、感想ありがとうございます。

ひっそりぜんぶ拝見し小躍りしています。

今回ももしお気に入りが見つかれば引用スターいただければ嬉しいです。

 

それでは。

 

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1. うぐいす

いま春の陽のなかにいる 木々の葉の色もあなたの声もうぐいす


2. 窓

窓越しに良く眺めてたその山の ひとつ向こうが次に住む町


3. 並ぶ

並ぶったって肉の量見りゃすぐわかる それはライス減らした大盛


4. 水

落ちていく 深い眠りは 水の底 暗く 静かな 波間に ゆらら


5. 海

俺のターン!カード発動!「尾を結ぶ」! 海馬(うみうま)達のハートのダンス!*1


6. かめ

大腸かめらの検査で飲む下剤なんでこんなに不味いんだろう*2


7. 発情

想人 発見次第 脈拍上昇発情 ”心”覚醒


8. こい

コツコツと集めた札で上がるまで あとは君だけ 春よこいこい


9. 茜さす

茜さす君は夜こそ花開く 月夜の頬紅いとをかしげに


10. 虹

去り際に涙の雨を置いてきた 山の向こうは虹色の町*3

 

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自分の頭だけで突っ走って考えるとワンパターンになりそうな気がしたので

今回は事前に他の方々の前々回の作品を読んでから詠みました。

 

その中で、現実なのか空想なのかわからないけれど

とても印象的な情景を切り取っているような短歌があって、いいなあと思うと同時に

短歌を詠むというのはワンシーンを言葉で切り取るような作業なんだなあと

感じました。それはまるで、皆それぞれが持っている「わたしカメラ」のシャッターを切るように。

 

わたしカメラのベストショットが、少しでも誰かのフィルムに焼き付けば幸いです。

 

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*1:

遊戯王」という漫画のキャラクター「海馬(かいば)」と「海馬(うみうま)」=タツノオトシゴをかけてみました。

*2:実話。

*3:2の短歌の続きっぽくしてみました。