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Qの箱庭

ショートストーリー仕立ての毎日

ちぐはぐな祝日

買い物の帰り、スーパーの出口で同じくスーパーの袋を下げた男女の二人組が外の方を向いたまま立ち止まって出口を塞いでいた。なんだろう、邪魔だな、と思って脇をすり抜けて外に出ると、大粒の雨。

そういえば来るときは地面濡れてなかったよな、と不安になるほど地面は濃い色に変わっていて、
土砂降りはたまたま持っていた小さな折りたたみ傘では補いきれず、左腕と背中を容赦なく濡らした。
 

わたしも店の前で少し雨宿りした方がよかったかな、と歩き始めてから少しだけ後悔した。
目の前を段差で揺れながらクロネコヤマトのトラックが通り過ぎていった。
世間が祝日だろうと彼らに休みはないのだ。そして雨にも休み時間はないのだ。
打ち付ける、風が吹く、折りたたみ傘が反対側に跳ね返る。
まあ家近いからいいや、あとちょっとだし、と思っているうち、雨は弱くなりはじめた。
なんだ、雨にも休み時間があったのか。そりゃあ年中無休で働けないよね。


雨が弱くなった。
わたしは家に着いた。
マンションの入口で左腕と背中を濡らしたまま、無事だった方の右手で服の色に似合わない水色の折りたたみ傘をたたんだ。

仕事と休みの中間のような雨。
部分的に濡れているちぐはぐなカラーのわたし。
なんだか変な一日の朝だ。

 
***

9/19 朝の風景と感情のスケッチ。