Qの箱庭

ショートストーリー仕立ての毎日

ビコーズ・アイ・ラブ・ユー

友人と雪まつりに行く約束をしていたのだけど、相手の仕事の都合で時間が殆どなくなってしまい、結局行かずに代わりにその人の車に乗せてもらってプチドライブみたいなことをした。

「どっか行きたいとこあるなら連れてくよ~」と言われたものの、普段車に乗らないし中央区以外の場所はよくわからないし、咄嗟に思いつかなかったのでどこでもいいよー、と返したものの、せっかくなのでどこか面白そうな場所に行きたいと思っていた。

友人も特に思いつかなかったらしく、時間もなかったので、結局あてもなく数十分車を走らせた後、家まで送ってもらった。

 

久しぶりに会うということもあってそれなりの準備をしてそれなりに楽しみにしていたので、なんだか肩透かしを食らったようで正直がっかりした。もちろん忙しい仕事の合間を縫って会ってくれた相手にそんなことは言わなかったけれど、向こうから誘ってきたからには、せめて代わりにどこか連れて行って欲しかったなあ、とか思っていた。

そんなことを帰宅してからもやもや考えて、ふと、あー、自分から言えば良かったじゃん、と思った。

 

(人間的に)好きな相手と出かけるのに、あまりに相手に任せきりにしていなかっただろうか。行き先だけじゃなくて、相手が決めてくれるだろう、こうしてくれるだろう、っていう態度とか。自分の希望も言わずにただ相手に期待する、なんて、大事な友人なのにまるで相手のこと考えてないじゃん。と反省した。

 

よく考えたら、ピンポイントで見るなら充分雪まつりに行けたし、どこかで美味しいご飯食べるのでも良かった。面白い場所、なんてハードル上げなくたって、どこに行ったって面白いと思えるような相手だったのに。わざわざ自分の都合を押し付けて気まずくするようなことしないようにしよう。相手に余裕がなくて、自分がこうしたいって思う事があるなら、不満溜め込んでないで自分から提案しよう。あれ食べたい、ここに行きたい、限られた時間を一緒に楽しく遊びたい。

 

誰にでもこんなこと思わない。いちいちそんなこと思ってたらキリがない。人間として尊敬する君だから、愛を込めて提案するんだ。

 

ビコーズ・アイ・ラブ・ユー。

 

さて、次はわたしから誘おうっと。