気がつけば短歌の目(「短歌の目」第2回)
月日は流れる。本来どんぶらこっこどんぶらこっこと流れるはずの桃の節句もシャーッと過ぎ去り、そのまま急流に飲み込まれて3月は死んだ。4月も少しずつやられはじめている。
という文章を前回のエントリで書いたのですが3月多忙で死んでました。
死んでいる間に気がつけば4月も10日。
気がつけば短歌の目の締切日。
そんなわけでギリギリですが今回も参加しますよろしくお願いいたします。
前回はお題の他に「スーパー(で働いている側)」をテーマに10首詠んだのですが
テーマを設けすぎると発想の自由度が落ちてしまう感じがして
あまり納得いく歌が詠めなかったので、今回は再びお題のみのフリーダムな感じで
詠みました。
ということで以下本文。
もしお気に入りがあれば引用スターなどいただけると
喜びのあまり鼻歌歌いながらスキップします。よろしくお願いいたします。
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1.入
不器用に まどいながらも 重ね入る 間に、月、夜空、とけゆくわたし
2.粉
道草を食う間に開く白粉花(オシロイバナ) ゆうげの時間だ今日はここまで
3.新学期
新学期 やっと乾いた上履きを入れたビニールの影が跳ねる
4.フール
5.摘
生ビール片手につまみ一摘み(ひとつまみ)愚痴のスパイスふりかけ食べる
6.異
聖剣と魔法で以て悪を討つ 彼らにしたらここが異世界
7.花祭り
「父さんが美味しい土産を買ってきた!今夜は銘菓き花祭りだ!」
8.あらたまの
あらたまの年を七つも集めれば、神龍、願いを叶えてくれる?
9.届け
さあ届け 色気食い気に洒落っ気に茶目っ気乗せた 短歌よ届け
10.ひとつ
「おひとつで よろしいです」と言う度に 俺は孤独の王になるのだ
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「き花」→北海道銘菓。http://www.tsuboya.net/products/list58.html
(調べてから知ったのですが偶然短歌に縁のあるお菓子でびっくり。)
月に一度短歌を詠むようになってから、月に一度
脳が何を見ても字数を数えたり情景を切り取ろうとしたりする「短歌モード」に入る。
そうすると、日々のありとあらゆるものが物語に見えてくる。
そんなことを第0回短歌の目振り返りエントリで書いたところ、
主催のid:macchauno様がブログで言及してくださって、
ラマヌジャンが数学の目を得て日常から美しい数式を掘り起こしたように、私も短歌の目でもって日常にもっといままで見えなかったものを見えるようになりたいんだと思う。
ということを書いていらっしゃったので
ああ、この「短歌モード」というものこそが「短歌の目」なんだなあと
ほんの一瞬、月に一度だけでも
気がつけば「短歌の目」でものを見られるようになってきたんだなあと
最近はそういうことを嬉しく思っています。短歌たのしい。